RZV500R

スポーツプラザ モトプランがお届けするRZV500R

「市販車としては世界初の水冷2ストロークV型4気筒エンジンを搭載。ヤマハ・スポーツスピリットの頂点として、また最速のロードゴーイングモデルとして君臨した。ケニー・ロバーツのライディングにより、1983年ワールドグランプリ全12戦中6勝を挙げたワークスマシン、YZR500の直系マシンである。
 前シリンダーはクランクケースリードバルブ、後シリンダーはピストンリードバルブと、前後バンクで異なる吸入方式を採用するなど、2ストローク技術の粋が尽くされた。」  -ヤマハ発動機ー
 
  当社では、そのRZV500Rをより完調な状態で楽しんでいただけるよう様々なメンテナンス及びチューニングメニューをご用意致しております。「自分のRZVがどんな状態なのかを知りたい」、「もう少しパワーが欲しい」、「これからも乗りつづけたい」など様々なご要望にお応え致します。クランクやオーバーサイズピストン等、パーツも数多くストックしておりますのでどんな事でもまずはご相談下さい。

近年のRZV500Rについて

1984年5月の発売以来RZV500Rは永い年月が経過しました。2ストローク・V型4気筒・500ccという希少なレイアウトを持つRZV500R。250ccや50ccという小排気量車でさえ2ストロークエンジンという存在が消えつつある昨今、RZV500Rの存在感はより一層のものとなっております。弊社ホームページ開設後、RZV500Rについて数多くのお問いあわせを頂くようになりましたが、今現在のRZV500Rの現状を少しだけお話させて頂きます。
近年のRZV500Rにおいて、当社で一番気を使っているのは上の画像にある2本のクランクシャフト。その右側にあるオイルシールふたつです。シリンダーに焼付きがなく、クランクから異音のしてない車両。当社で販売するRZV500Rにおいては「超」大前提です。その大前提のうえで、クランクシールをチェックしています。 発売以来長期間経過した2ストロークはゴム類やオイルシールの劣化は避けて通れません。当社で整備してきた車両の9割以上がここのシールにダメージを受けていました。今までに一度もこの周辺をメンテナンスしたことがないという方は、かなり危険な状態だと思われます。
クランクサイドシールがブクブクになっている様子が見られます。この車両は「首の皮一枚」で何とかシールしている状態でした。ここのシールが抜けてくるとギアオイルがクランクケース内に流入し、強烈な臭いとともに大量の排気煙を吐き出します。ギアオイルを吸っているうちはいいのですが、オイルが減ったのに気づかずそのまま走行を続けてしまうと、今度はエアを吸い込みます。エアを吸い込むと・・・。もうお解かりですね。クランクシャフトの焼きつきです。後ろ側のシールが抜けるとギアオイルに常に浸かっている箇所ではないので比較的早く致命傷を与えることになります。「後ろ側がよく焼きつく」・「最近ギアオイルが減る」という方、要注意です。
 このシールはクランクケース内の一次圧縮を受ける止めるため、抜け防止にリブが付いています。そのため交換にはクランクケースの分解が必要です。当社で販売する中古車は、独自に製作した特殊工具にてこのシールを交換しております。
また、長期放置車に関してはシリンダーの錆つきが多く見られます。マフラー出口からポートまで、外気に触れたまま長期間放置すると当然錆が発生します。シリンダーに錆が出ている車両はクランクシャフトも錆びている確率が非常に高いです。また、オーバーフローしたまま放置した車両もクランクにダメージが及んでいることが多いです。オーバーフローしたままキックし続けた方のピストンが割れていたこともありました。
人間もそうですが、時間の経過とともに劣化が進みます。立派な旧車となったRZV500Rです。
しっかりしたメンテナンスが必要不可欠です。あなたのRZV500R、調子どうですか?

点検整備について

あなたのRZV500R、点検整備をしたのはいつですか? 車検から車検まで点検整備はしない方、結構いらっしゃるのではないでしょうか? 6ヶ月ごとの法定点検は義務付けになっています。ただ、罰則規定がないので実施される方はそう多くないのが現状です。新車で購入しまだ1年という車両でしたらまだ普通に走るでしょう。ただし、RZV500Rは立派な旧車です。常日頃からの点検整備があなたのRZV500Rを快調に走らせ、末永くあなたを楽しませてくれるのです。

 「RZVって全開にすると焼き付く・・・。」、「RZVってこんなもんなんだ。」そう思われているあなた。あなたのRZV500Rは本当に完調ですか? 完調なRZVであれば、現行スーパースポーツと遜色無いパフォーマンスを見せてくれるはずです。本来のRZV500Rを体感して頂くためにまずは愛車の点検整備から始めることをお勧めいたします。点検整備後、愛車の不調を相談しながら快調にしていきましょう。経験豊富なスタッフが点検整備いたします。
12ヶ月定期点検整備の点検項目に加え、RZV500R特有の整備ポイントなど、「ツボ」を抑えた点検整備を行います。YPVS・オイルポンプ・キャブレター左右同調・開度調整など点検しなければならない箇所は山ほどあります。

フルパワー加工について

このようなパイプで出力規制が行われています
国内販売されたRZV500Rの64ps/8500rpmに対し、輸出販売されていたRD500LCが88ps/9500rpm。馬力、回転ともにRDが上回っています。この部分を同レベルにするのがフルパワー加工です。国内のRZVは出力規制の為、チャンバー入り口部に詰め物が入っています。これを削り取り、排気抵抗をなくします。排気抵抗の少なくなったチャンバーに合わせ、キャブレターのジェット類の変更となります。同時に特に重要な油面調整や、アイドルバランス、ワイヤーの同調調整、オイルポンプ、YPVSの開度調整を行い終了です。経験の差がハッキリと出る作業です。バランスの取れたエンジンは、現行バイクに負けない程の素晴らしい加速を見せてくれます。但し、焼き付き歴が有るなど、コンディションの悪いエンジンにはお勧めできません。ご来店頂ければ、コンディションチェックを致しますのでお気軽に。

フルパワー化とともにお勧めするのが最終減速比の変更。街乗りなどでのゼロ発進や低回転時のコントロール性が向上します。
フルパワー加工は¥50,000-(税別)にて承っております。部品代金も含まれておりますが、腐食など状態の悪いキャブレターは追加作業工賃がかかる場合があります。

腰上オーバーホールについて

シリンダーヘッドやシリンダーの歪、摩耗を点検・測定し、最適なピストンクリアランス調整及びピストンリング等の交換はもちろん、YPVS廻りの作動やシールの点検などを致します。ご希望によってオーバーサイズピストンもご用意しております。RZVのエンジンパーツは年々供給が悪くなっておりますが、メーカー欠品となりましたパーツも多数在庫しておりますので完調なRZVをお届け致します。
軽い抱きつき程度なら腰上オーバーホールだけでも有効ですが、左の画像のような状態になるとクランクまでのオーバーホールを強くお勧めいたします。また、「近年のRZV500R」にもあるように、長期放置・保管車にはシリンダーの錆付きが出ている車両が多く見受けられます。そのような車両はクランクシャフトにも錆付きが見られる場合が多く、腰上だけのオーバーホールでは意味のないものになります。過去にクランクシャフトまでオーバーホールを行い、定期的なメンテナンスを行っている車両に対しては非常に有効な作業です。当社では、この作業は特別なことではなく、通常メンテナンスとして1万キロごとのオーバーホールを強く推奨しております。高速道路やスポーツ走行などが多い方は特にですよ。
腰上オーバーホールは工賃¥70,000-(税別)から承っております。部品代金は別途ご請求いたします。
ボーリングなどの追加加工が発生した場合にも別途工賃を請求させていただきます。